【夢の実現法⑤】時空コントロール

第五回目のテーマは「時間と空間」です。

現在、書店に行けば夢の実現の本は
いくつも販売されています。

しかし、「時間と空間」について
言及したものは皆無と言ってもよいでしょう。

時間と空間こそが、あなたの人生
を形成する要素の全てだと
言っても過言ではありません。

CONTENTS

時間とは何か?

「時間」とは何ですかと問われても、
「時間って一体何だろう」と一瞬考え込んでしまいます。

時間と言われるとまず「時計」を
想像しがちですが時計は時間を計る
道具であり時間そのものではありません。

時間とは、この宇宙で起こっている
総ての現象を説明するための一つの
「ものさし」のようなものです。

「地球が一周すると24時間
 という約束にしましょう」というふうに
自然現象を「時間」という「ものさし」を
作って私たちは総ての現象を共通認識しているわけです。

人は現象の移り変わりを、
時間という「ものさし」で測っていくのです。

そこで、人々は時間を中心に現象を分析したり、
因果関係を確認したりするようになりました。

また、現象を前もって予測し、
タイムスケジュールを組むようになります。

例えば、
小は日々の行動計画から、大は人生設計まで…。

ところが社会現象は時代背景や
人それぞれの因果関係の組み立てによって
同じ現象に同じだけの時間がかかるとは限りません。

昔は大阪から東京(江戸)まで
移動するのに20日以上かかりました。

しかし今では新幹線で三時間、飛行機では
僅か一時間ほどで移動することができます。

移動目的が特定人物との
コミュニケーションであるならば、

現代は電話で瞬時に目的を果たすことができます。

短時間のうちに多くの現象を
作り出すことが可能となりました。

別の表現をすれば、
原因と結果が短縮されたことになります。

時間を短縮させるために機械や道具が必要です。

IT(情報技術)の時代と言われる今日、
情報機器を持っている人とそうでない人
との時間の短縮には大きな開きがあります。

主観的時間と客観的時間

恋人と語り合うとろけるような
愛の時間はアッというまに過ぎ去りますが、

反対に歯の治療を受けている時などは
わずか10分が1時間にも感じられます。

この主観的(心理的)時間は、
人によってずいぶんと違っているのです。

小学校2、3年の頃の夏休みはずいぶんと
長く感じましたが、社会人の一か月は
アッというまに過ぎ去ります。

この心理的時間の違いは、

子供の意識は空間にあり、
大人の意識は時間にあることに起因します。

人間の右脳は空間を認識し、
左脳は時間を認識していると言われています。

子供は大人ほど左脳が発達していないので、
時間の流れを強く意識しません。

大人でも右脳を極度に刺激すると、
時間の流れは止まります。

深い瞑想に入ると、
時間の認識力は弱まります。

意識の中で、時間はゆっくりと進むのです。

眠っている時に見る夢は、
客観的(物理的)時間がほんの数分なのに、
長いドラマの夢を見ます。

このように、

私達は物理的時間の中で心理的時間を
融合させながら人生を送っているのです。

物理的時間を中心に生きている人と
心理的時間を中心に生きている人との
人生観はずいぶんと違うものです。

私は、どちらかと言えば心理的時間を
中心に生きているタイプなので、

自分の人生を生と死の間の一つの
現象の空間として据えがちです。

自分の人生という空間認識の中で、
どのような現象を生起させるかという
意識が強いのであまり因果関係にこだわりません。

人生でやっておきたい夢や目標を
その時のタイミングで時間軸に
落とし込んでいるだけなのです。

私のようなタイプから、物理的時間を
中心に生きている人を見るととても忙しそうで、
スケジュール表はもう何カ月も先まで真っ黒です。

もし、突発的な何かが起こればどうする
のだろうと他人事ながら心配になります。

時間と空間は連続体であり、
決して切り離すことはできません。

人と待ち合わせをする時は必ず、
何時何分、Aの場所でということになります。

ところが、用件が書類を手渡すことであれば、
他の人に代行してもらうことも可能です。

これは、時間を空間に変換したことになります。

前述したように時間が現象であり、
情報であるとすれば、時間を総て空間に
変換することが可能となります。

こうした空間をシステム化できれば、

人生を2倍、3倍に
生きることができるようになります。

これはひとえに、人々の意識が創り出した
仮想空間のシステム化に他なりません。

仮想と現実は同じ

これが、
ITの技術進歩によって可能となったわけです。

これは、驚くべき現象です。

人々は、この仮想社会の中で、
あたかも現実の如く生き始めるのです。

ここでの時間は、心理的時間を中心に動き出します。

ここで生じるあらゆる現象は現実社会の仮想であり、
現実社会の総ての情報を仮想空間に取り込んでいきます。

ちょうど、三十七億年の生物進化の情報を
母親の体内で凝縮され、10月10日と
なるのと全く同様の効果が生じます。

この仮想社会は現実社会に先がけて、
まるで生き物のように進化していきます。

この仮想社会の中では、

人々の意識は加速度的に
進化していくことになります。

そして、一気に現実社会を変えてしまうのです。

もはや、物理的時間と心理的時間の
区別が脳の中では判断できなくなります。

ここで初めて、

バーチャルリアリティすなわち
仮想が現実となるのです。

もともと人間というものは意識がつくり出す
仮想現実に生きているので仮想も現実もないわけです。

お釈迦様も述べている
「色即是空」「空即是色」の世界観そのものです。

こうした意味でインターネットを中心に
つくり出したIT(情報技術)による仮想空間は、

釈迦の説いた「空」そのものの
動きを実現します。

高度情報社会になればなるほど、
文明は東洋化(空間的)していきます。

シンクロニシティ

シンクロニシティとは、

意味のある偶然の一致(共時性)と
呼ばれているものです。

必然的には何の因果関係もないのに自分の
意識にとって意味を持っている現象のことです。

「鈴木さんは元気かな」

と思っていたら本人から電話があったとか、
道でばったり会ったとか日常的によくある現象です。

心で思っていたら、

それに関係ある現象が起こることは
誰でも経験していることでしょう。

この現象はユング(心理学者)と
パウリー(物理学者)の共同研究に
よって世間に知られることになりました。

時間感覚を変えると未来に設定した
目標(結果)に合わせながら、
現在に(原因)が発生していることになります。

時間(現象)は未来から
やってくるということですね。

「結果」(未来の目標)から
「原因」(目標を可能にする手段)が
自然発生しているので私たちの
意識の中では「偶然」と感じているのです。

そこには何の因果関係もないからです。

日常感覚では「原因」が
あって「結果」があります。

でも「結果」を予測して
「原因」を作っていたとしたら…

これは時間(意識)のパラドックスです。

「天動説」から「地動説」に変わったように
意識や時間の「地動説」なのです。

あなたの「意識」で時空を
操ることによって「夢が叶う」のです。

最初に「右脳」ありき

日々の行動計画は、原因をつくって結果を
得ようと努力するのではなく
強い目標意識を持つことによって、

何をすればいいのかという
「原因」が意識に上がってくるのです。

それも右脳から浮かんでくる「原因」なので
考えるというより「ひらめき」に近い感覚です。

右脳は空間認識に優れ、
目標を達成させるための
全体像をすでに脳の中で作り上げています。

それを左脳が目標に至るまでの道のりを
計算したり分析したりして、
時間軸に落とし込んでいるのです。

だから、最初に夢(右脳)ありきです。

夜眠るときの「夢」を思い出してください。

「朝の6時に起きる」と目標を決めると、
その時点で6時に起きるように心と体は
セットされるのです。

眠っている意識が計算しながら6時に
目覚めるように調整してるわけではありません。

目標を固定しすぎない

目標にも短期のものと長期のものがあります。

短期目標と長期目標は、バランスが大切です。

短期目標ばかりにエネルギーを注いでいると
長期目標は遠くに逃げてしまいます。

そうかといって、

長期目標ばかりに意識が行っていると
目の前の大切なことを見逃してしまいます。

行動計画はこの短期と長期のバランスを
考えながらつくる必要があります。

それと、短期目標も長期目標も固定しないで
修正を加えながら進むことです。

人生にはまさかという
突発的なことが誰にでも起こります。

長期目標さえしっかり押さえておけば、
多少の突発的なことが起こっても何とかなるものです。

車の運転に例えると目的地さえ
しっかり決まっていれば、

途中渋滞に巻き込まれても、
道を変えたり時間を遅らせたりしながら
最後には目的地に到達することが出来ます。

だから行動計画は固定せずに、
状況に合わせながら修正を加えていくのです。

優先順位は状況の中で自動的に
決まってくるので最初から
固定させないほうが上手くいきます。

ここで発想を転換して、

時間軸から空間軸で人生を考えてみましょう。

優先順位という考えかたは
時間軸を中心とした考え方です。

生まれてから死ぬまでをひとつの空間と
考えたとき優先順位はそれほど重要ではなくなります。

富士山という一枚の絵を描く、
ジグソーパズルを想像してください。

どこからピースを置いていくかは
その人によって違います。

優先順位に関係なく最終的に
富士山の絵を完成させればいいのです。

人生が一枚の絵(空間)なら
どこからどのように描いてもいいのです。

大切なことは何を描くか(目標)が
重要なことなのです。

人は誰でも人生という有限の時間の中で
ある空間(場所や環境、時代)を選択
しながら毎日を生きています。

言葉を換えると、自分に与えられた
人生の時間空間を如何にデザインして
いくかと言うことに他なりません。

時間空間はひとつの連続体です。
だから「時空」という方がいいでしょう。

ちょっとまとめてみましょう。

時間の持つ「顔」

①タイミング

どんなに能力のある人でもタイミングを
合わせることが出来なければ上手くいきません。

春に蒔く種を夏に蒔いても芽は生えてきません。

目標を持っていると自動的に
タイミングが合ってくるものです。

②周期

季節が巡るように、
ものごとには「周期」というものがあります。

ものごとの現象は
陰陽の波のように繰り返し動いています。

「愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

自分の人生の周期の中でどんな人にも
大きなチャンスは3回ぐらい巡ってくるものです。

春蒔く種のタイミングを
逃すと一年待たねばなりません。

同じように巡ってきた大きなチャンスを
逃すと10年先になってしまうかもしれません。

自分の運気や周期を感じるのも右脳です。

③手順

どんなに急いでいても手順を
無視すると上手く事は運びませんね。

一足飛びに何事も成就しません。

手順とは目標までのプロセスです。

車の運転のように、
道なりに走るしかありません。

川を渡ったり空を飛んだりできません。

時代と共に手順も変わってきます。

④時代背景

時代を無視して夢の実現は不可能です。

時代が人を変え、人が時代を変えていきます。
人の価値観も時代と共に変化していきます。

今は情報社会です。

情報社会とはどんな社会なのかを
しっかりと理解しておく必要があります。

必然と偶然

人生は「まさか」という坂もあります。

自分で予期しないことが
次々に起こっていきます。

「偶然」と思えることも
自分の意識で引き寄せています。

目標をもって生きていると
「偶然」に出会うものです。

人生は「偶然」が50%、
「必然」が50%です。

「偶然」と「必然」が縄のごとく織り成しています。

「人事を尽くして天命を待つ」

この天命こそ「偶然」と呼ばれ、
奇跡を起こしてくれるのです。

あらゆる発明や発見は偶然に起きています。

偶然を無視してはいけません。

お釈迦様はこの宇宙の法則を
「因縁論」で説いています。

偶然は深い宇宙の見えない
働きの中で起こっている現象です。

実はこの偶然は潜在意識や宇宙意識の働きです。

時間の流れ

時間軸から空間軸への発想の転換が必要です。

左脳=時間認識
右脳=空間認識

右脳を開発させると空間型になります。

潜在意識と顕在意識の
時間の流れは反対になっています。

顕在意識の時間の流れは、
過去→現在→未来に流れています。

潜在意識の時間の流れは、
未来→現在→過去に流れています。

時間の流れは感覚的なものですから、
人によって違います。

物理的には時間は流れていません。

人間の意識が主観的に時間の流れを
認識しているだけです。

右脳型の日本人は未来から現在へ
左脳型の西洋人は過去から未来へ
時間が流れている感覚です。

中東などのイスラム圏では、
時間は流れていないのです。

このあたりは感覚の世界なので
文章で説明しても分かりづらいですね。

生命の危機に陥ったときは右脳優先に
なるので時間はゆっくりと動きます。

交通事故などを起こした人に
聞いてみてください。

事故が起こるまでの数秒間が
5分ぐらいに感じて時間がまるで
スローモーションのように流れるのです。

時間の問題は難しいので結論だけにしておきます。

人生の夢と眠りの夢

夢を実現させる重要な要素は
「眠りの夢」の中にあります。

眠りの夢は潜在意識の世界なので
時間の流れは逆になっています。

未来にセットしたとおりのことを
目が覚めてから実現させているのです。

「明日の朝6時におきる」

とセットすると現実に6時に起きるようになります。

だから人生の「夢」という漢字と、
眠ったときの「夢」は同じ漢字を使っているのです。

あなたが自分の人生の夢を
潜在意識にまで落とすと、

睡眠中に手段方法を潜在意識が
考え出して夢の物語をつくっていきます。

そして、

目が覚めたときに無意識に
人生の夢と合流させているのです。

昔の人は「夢のお告げ」と呼んでいました。
無意識ですから自覚はありません。

人はその現象を「運がよかった」
「シンクロが起こった」「予知夢をみた」
「奇跡が起こった」などと表現しているのです。

夢を実現させるためには、
良質の眠りが大切なのです。

「時間と空間」は感覚で
掴んでいただくしかありません。

あなたの理解が進んで「時間と空間」の
感覚がしっくり来た時、世界はあなたの
夢の実現の為に動いている事が確信できます。

今回の内容は少し難しかったかもしれませんが、
何度も読み返してぜひとも理解を深めてくださいね。

では、あなたの豊かな人生が
実現する事を心よりお祈り申し上げます。

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