未来を読み解く東洋の知恵、
最後の第七回は「21世紀は精神科学の時代」です。
AIやITの進化によって今までの価値観や制約から
解放され人々が調和し助け合い共生社会へと
変化していくでしょう。
脳と心は同じモノ?
今、人間の脳の研究は日進月歩で進んでいます。
それを基盤に人工知能を持つロボットの
研究にも拍車が掛かっています。
人間の脳や意識は
量子レベルで研究が進んでいます。
「ロボットにも魂が存在する」と
哲学や宗教にも影響を与え始めています。

あらゆる学問が人間とは何かという
命題に向かって研究され始めました。
人間の遺伝子の解明も進み、
万能細胞と言われるiPS細胞の
ようなもので、自分専用のスペア臓器
さえ作り出すことが可能になりつつあります。
果たして、脳と心は同じものでしょうか?
脳科学者は脳内の生化学的な
反応の結果として心が生じると言っています。
しかし、脳は宇宙のホログラムで
あるという科学者もいます。
宇宙そのものが意識(心)である
と言っているのです。

死後の世界は存在するのか?
こんなことまで科学者は研究し始めています。
人間の精神は今だ謎だらけです。
私たちの意識はどこに向かうのか?
一部の量子論では
「この宇宙は人間の想像の産物である」と
いう信じられない結論に至っています。
しかし意識は、その発生において
「個が生き残る」ことを目的としたために、
現在に至るまで「個の中に閉じこもる」
という性質を残しています。
そこから、エゴイズム、闘争、離反、殺人、
裏切り…といった
人間社会がいまだ克服していない
闇の風景が広がっています。
しかし、その利己意識も、
歴史を通じて少しづつ進化してきました。
それによって、
その「闇」を少しずつ縮小し続けてきました。
つまり意識の進化していく方向は、
自分を越えて、他と深くつながる方向であり、
調和し助け合い、協力し、愛し合う方向なのです。

意識進化の今後の方向は、
こういった「個」の制約から
少しずつ脱け出していくことに
その課題があると、私は考えています。
脳の拡張と仮想現実に
新しい地平を開く情報技術が、
その変化に支援的に
働くことはいうまでもありません。
さいわい人間の意識には、
個の狭い枠組から越え出ていく
ための二つの大きなモメント(契機)が用意されています。
一つは、愛。
もう一つは、
宗教心とでも名付ける他ない、
心のありようです。
愛はいうまでもなく、
自分以外のものに注ぐ深い関心であり、
慈悲といつくしみの心です。
異性への愛であろうと、人類や
生物一般といった広く大きいものへの
愛であろうと愛が自分以外のものへの
心からの関心であることには変わりはありません。
愛はそのことによって、
自分を越え出ていくエネルギーとなり、
意識進化の有力なエンジンとなっています。
人類は今進化の途上にあるのかもしれません。
21世紀は精神科学の時代です。
戦争のない平和で青く美しい地球の
住民として進化していくことを祈るばかりです。

第七回まで、お読み頂き有難うございます。感謝。
一緒によりよい人生を創造できれば幸いです。