第六回は「“場”で動く社会」です。
人間の意識の進化、情報社会の進化によって
あらゆる所に場が生まれてきました。
この「場」という見えないものを理解して
人生に大いに役立ててください。
「仮想現実(バーチャル)を
現実(リアル)だと思い込んでしまう」
それが意識というもののありかた。
人間は、ずっとそうして生きてきました。
これからも、
そうして生きていくに違いありません。
しかし生命の長い歴史からみても
人類の歴史からみても、
意識の進化のスピードは
どんどん速まり、加速しています。
時代とともに、
新しい”仮想”が生みだされてきます。

その仮想はやがて現実へと変化し、
歴史を活気づけ社会を新しい
段階へ導いていきます。
21世紀の初頭、これから益々、
力強い新しい仮想ができ人々の意識を変え、
新たな現実をつくりあげていくでしょう。
その源になるのがAIとIT(情報技術)です。
その中心には「空」なる
「場」が自然に出来上がります。
「場」とは見えない概念です。
人々が発する意識の共振、
共鳴によって自然に生まれてきます。
全世界に張り巡らされた通信網は、
人間の神経系のような生命系で動き始めます。
地球上に住んでいる個人の精神、
意識の総体が反映されたもの
それが「場」です。
人が集まると自動的に
感情の共鳴現象が起きてきます。
ポジティブな人と一緒にいるときは、
自分も自動的にポジティブな感情になります。
また、ネガティブな人といると自分も
ネガティブな感情に共鳴しやすくなります。
アリの行列や魚群や
鳥の編隊飛行を想像してみてください。

全体の動き(場)は
ひとつの方向性をもっています。
その方向性を決めているのは
個人(単体)です。
全体と個が共鳴しながら、
そこに調和が生まれています。
そこに指示命令を
出しているリーダーは存在しません。
「場」はまるで
生き物のように生成発展していきます。
「個が全体をつくり、全体が個を規制する」
関係性の中に存在しています。
こんな風景は日常的に見ることが出来ます。
例えば野球の観客の動きです。
一斉に立ち上がり気勢を上げ、
大声を上げています。
全体を統制している
リーダーがいるわけではありません。
野球を観戦している人々の意識の共鳴現象です。

人間の集団や社会も
また「場」で動いています。
世界のどこかで事件が起こると
波のように世界に広がって行きます。
「場」のイメージが出来なければ、
池を想像して見て下さい。
世界中の人々の意識の塊を
「池」に例えましょう。
池に石を投げ込むと、
池全体に波紋が広がって行きます。
人類社会の池の中に大きな石
(9.11アメリカ同時多発テロ)が
飛んで来て国際社会は波打ちました。
リーマンショックという
大きな石が飛んで来て国際社会は
津波に襲われました。
何かが起こると、
その波紋がリアルタイムで全体に影響します。
このように「場」で
動く社会がやってきたのです。
これから先も何が起こるか分かりません。
何かが起これば地球全体が揺れ動きます。
積み上げ方式の時代は終わったのです。
AppleやAmazonの電子書籍の出現で
日本の出版業界は大波にさらわれました。

ある日突然現れた、ひとつのテクノロジーが
一瞬にして世界を変えてしまいます。
今はそんな時代に住んでいるのです。
では、第六回「“場”で動く社会」は
この辺りにさせていただきます。
あなたと共により豊かな人生が創造できるよう
心よりお祈り申し上げます。